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内断熱vs外断熱 2008/05/07
前回は断熱材の種類やその性能について説明しました。
その断熱材をどう施工するかが肝心になってきます。
「内側断熱工法」と「外側断熱工法」です。


内断熱とは…

内断熱工法
(充填断熱)
「内断熱」とは、柱と柱の間などに断熱材を入れる方法で、
袋入りのグラスウール断熱材を使った工法は、広く一般的に採用されています。
長所・施工方法が容易であること
・比較的コストが安いこと
・断熱材の厚みが取りやすいので、性能を高めやすいこと
短所・隙間無い施工がしにくく、壁内で結露する可能性がある
・構造材部分で熱損失が生じやすい


外断熱とは…

外断熱工法
(外張り断熱)
外断熱は、建物を構造材ごと断熱材で包み込むことで
断熱性能を確保する工法のことです。
長所・気密性能が確保しやすい
・構造材部分で生じる熱損失が少ないこと
・床下空間も小屋裏空間も室内と同じ環境にでき、
その空間を利用しやすいこと
短所・コストが高くなりやすい
・外壁の施工に注意しないと、思った断熱性能が得られない



《参考》主な断熱材の熱抵抗値を同じにしようとした場合の厚みの比較
内断熱工法
繊維系断熱材熱伝導率(W/mK)熱抵抗値(u/KW)厚み(m)
高性能グラスウール16K0.03630.108
ロックウール40-150K0.04430.132
セルロースファイバー25K0.04030.120

外断熱工法
発泡系断熱材熱伝導率(W/mK)熱抵抗値(u/KW)厚み(m)
硬質ウレタンフォーム1種3号0.02530.075
押出法ポリスチレンフォーム3種0.02830.084
ウレタン変性イソシアヌレートフォーム0.02030.060


で…、
どっちが
いいの?
ズバリ結論!
どちらも一長一短があるので、どちらが優れているとか、
どちらが間違っているという性格のものではありません。
この「内断熱vs外断熱」に関しては、インターネットや雑誌などで
様々な情報が氾濫し、中には一方を不当におとしめたり、
都合のいいデータを採用して批判をするものも多く、
誤解や偏見が横行しています。
どちらの工法であったとしても、それぞれの長所短所を十分に踏まえ、
断熱材を結露させないしっかりとした防湿施工をすることが
一番大切なのではないでしょうか?

断熱材のあれこれ(その2) 2008/04/02
熱伝導率と熱抵抗値

断熱材の性能は、「熱伝導率」「熱抵抗値」で比較します。
「熱伝導率」とは、ある物質の熱の伝わりやすさを値にしたものです。
その素材や密度によって値は変わってきます。

熱伝導率λの例(単位:W/mK)
材 質熱伝導率材 質熱伝導率
アルミニウム200グラスウール24k0.038
コンクリート1.6セルロースファイバー55k0.034
スギ・ヒノキ0.12硬質ウレタンフォーム0.024

熱伝導率の値が低ければ低いほど、熱の伝わりにくい、断熱効果がある言えます
ちなみに、空気で0.023W/mKです。
ただし、この値だけで断熱性能の良し悪しを簡単には判断できません。
厚みを含めた「熱抵抗値」を用いて比較する必要があります。

熱抵抗値を求める式
厚み(m)÷熱伝導率(W/mK)=熱抵抗値(u/KW)


材 質厚み(m)÷ 熱伝導率(W/mK)熱抵抗値(u/KW)
AFボード
(発泡ウレタンフォーム)
0.03÷0.0201.5
グラスウール
24K
0.10÷0.0452.2

一見、熱伝導率の高い素材でも、厚みが係ると断熱性能が増すのです。
でも、いくら熱抵抗値が高くとも、水蒸気を壁体内に侵入させてしまっては意味がありません。

POINT壁体内結露を起こさせないためには
透湿性の少ない断熱材や、
しっかりとした防湿構造に
しなければならないのです。


断熱材あれこれ(その1) 2008/04/02
前回は、壁体内結露について説明しました。
壁体内結露を防ぐには断熱材が重要となってくるのですが、
その断熱材にも様々な種類があります。
今回は、その断熱材について説明します。


断熱材の色々

断熱材とは、外から内側へ、内側から外へ熱が移動するのを阻止する素材です。
その素材の中になる無数の小さな空気層が、熱の移動を食い止める仕組みになっています。
断熱材は大きく分けて「鉱物繊維系」「発泡系」「天然系」に分類されます。

素材断熱材分類特長
鉱物繊維系グラスウール
ロックウール
・低価格
・施工しやすい
・施工方法によっては結露しやすい
発泡系硬質ウレタンフォーム
押出し法ポリスチレンフォーム
ビーズ法ポリスチレン
高発泡ポリエチレン
発泡炭化カルシウム
フェノールフォーム
発泡ガラス
・結露しにくい
・高価格
・一次製造エネルギーが高く、
環境負荷が大きい
天然系セルロースファイバー
軽量軟質木質繊維ボード
炭化発泡コルク
セルロースウール
ココヤシ繊維
綿状木質繊維
フラックス繊維
ハンフ繊維
コットン
ウール
・吸放出性が高く、結露しにくい
・天然素材やリサイクル素材が原料なので
環境負荷が小さい
・高価格

続く…
目の届かない壁体内結露 2008/04/02
前回は目に見える結露について説明しました。
今度は目の届かない壁の中で発生する「壁体内結露」についてです。
隠れたところで発生した結露は、思いもよらない被害を及ぼすのですが…。

壁体内結露のメカニズム

壁体内結露のポイントは、水蒸気が気温の高いところから低いところへ移動する性質をもっているところです。
布団を例に例えると、体温36℃の体から出る水蒸気(一晩で約300cc程)が布団に吸収され、
気温の低い床面へ移動していきます。
そして、冷やされ結露を引き起こします。
朝、布団を上げると底が湿っているのはそのせいです。
壁体内結露は、その布団と同じ現象が起こっているのです。

壁体内結露が発生すると…
  • カビが生える
  • カビを餌にダニが繁殖する
  • 腐朽菌が発生して構造材が腐りやすくなる

大切な家族や家を守るためにも、壁体内結露はなるべく防がなくてはなりません。


防ごう!壁体内結露

壁体内結露を防ぐには、湿気を壁体内に侵入させないのが一番の得策です。

家の中から発生した水蒸気は、ベーパーバリア(防湿フィルム)で遮断。
外側は透湿防水シートを使い、雨や湿気の侵入を防ぎ、
通気層によって壁体内にわずかに侵入した湿気を排出します。

断熱材で調湿するという考えもあるようですが、
断熱材は湿気を含むと断熱効果が低下するので
思うような効果は得られないと思います。


次回は、断熱材について説明します。
家で目に付く結露の数々 2008/02/01
冬、室内を暖房すると発生するのが「結露」です。
結露はカビの温床となり、見た目にも悪いし、シックハウス症候群の原因にもなりかねません。
どうして結露は発生するのでしょうか?


結露は気温差と湿度にあり

結露とは、空気中の水蒸気が急激に冷やされることによって水滴化する現象です。
例えば、冷たい水の入ったガラスのコップを湿度の高い部屋において置くと、コップの表面に水滴が生じます。
それが結露です。



家の結露発生現場

断熱仕様になっていない家で発生する、主な結露箇所をあげてみました。

◆窓
家の中で一番結露の起こりやすく、目に付きやすい場所です。
冬に家の中で暖房をしていると、必ずと言っていいほど生じているものです。
窓の結露が原因でパッキンにカビが生えたり、サッシの劣化につながることもあります。
ちなみに、朝、カーテンを開けると結露がびっしり…ということが多いと思います?
その時は、カーテンを開けて寝てみてください。少しは改善されますよ。

◆壁紙
壁の内側に冷気が入ったり、断熱材が入っていなかったりすると、
壁紙に結露が生じ、カビが発生します。

◆外壁
外壁材の内側で内部結露が発生し、外気温が露点以下まで下がると、外壁表面に結露が発生します。
外壁に結露が発生すると、汚れが付着しやすくなります。

以上、普段目に付く結露について説明しましたが、結露はまだ、家の中に潜んでいるのです。
それは、壁の中で起こっているのですが…。
次回は、壁体内結露について説明します。
家の快適さの重点は、夏か冬か?(その2) 2008/01/15
暖かい家にしたいのだけれど…

最近の家は、冬を旨として作られているように感じます。
その理由のひとつとして、寒さが人間の体に与える影響があげられます。
寒さが血圧変動などの引き金となり、冬に倒れてなくなるお年寄りが多いことなどから、
まず防寒に気を使う人が多いのでしょう。

《参考》入浴中突然死の月別死亡件数(人)
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
4223273292041761058563102176280467
国民生活センター「消費者被害注意情報」(1998年11月19日)

高機能なサッシや、断熱材や外壁材の性能の向上から、
最近は「高気密・高断熱」の家が多くなりました。
高断熱は当然、夏にも大きな効果はありますが、「冬暖かい」「暖房費を節約」など、
寒い冬の快適さのみを旨としているように感じます。

しかし、冬向きの家には「結露」という問題が発生するのです…。


次回は、結露のメカニズムから、結露対策など、長持ちする家づくり、
快適な住まいづくりの考え方を紹介します。
家の快適さの重点は、夏か冬か?(その1) 2008/01/09
日本の四季は気候の違いがはっきりしており、四季折々の季節感を味わえることが特長です。
それゆえ、家づくりには難しい環境であるとも言えます。
過ごしやすい春と秋は別として、暑い夏と寒い冬、どちらに備えた家づくりをするのがよいのでしょうか?


兼好法師も嘆く夏暑い家

鎌倉時代の末期。兼好法師こと吉田兼好が「徒然草」の中でこう記しています。

家の作りようは、夏を旨とすべし。
冬は、いかなるところにも住まえる。
暑き頃わろき住居は、堪へ難き事なり。

(現代訳:住まいの作り方は、夏のことを考えて作るのがよい。
冬ならばどんなところにも住もうと思えば住めるからである。
暑いときの作りが悪い家は、我慢なら無い)

滋賀の伝統建築「他の字の間取り」は、夏に障子を開放することで風が通り抜け、
茅葺屋根は直射日光を遮り、土壁は調湿効果があります。
リモコンスイッチひとつで家の中を涼しくも暖かくもできる現代と違って、
昔の家は暑さ・寒さの影響をもろに受けてきました。
冬の寒さは衣服で調節ができますが、夏の暑さはそうはいきません。
そこで、「夏を過ごしやすい家」を作ることが大切だと考えられてきました。

ですが、それでは満足しない現代人は、寒い冬も快適な住まいを求め出したのです。

次回につづく…
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